1. はじめに
「海外発送ってどうしてるんですか?」
化粧品の取引をしていると、国内のメーカーさんや、これから越境ECを始めたい方から、よくこんな質問を受けます。
私はこれまで15年以上にわたり、化粧品の卸・輸出を続けてきました。特にベトナムや中国、シンガポールなど、アジア圏を中心に多くのお客様に日本のコスメを届けてきた経験があります。
今日はその中から、海外発送で実際にあったトラブルや、それをどう乗り越えてきたかをご紹介します。
2. 発送先によって違う、対応のポイント
発送する国によって、通関や配送事情は大きく異なります。
🇻🇳 ベトナム
化粧品の規制が厳しく、成分表の翻訳やラベル表示が重要。
購入者側に輸入の知識がないと、税関でストップすることもありました。
🇸🇬 シンガポール
比較的スムーズで、EMSやDHLでの発送も安定しています。
シンガポールは英語圏ということもあり、書類のやり取りもスムーズです。
🇨🇳 中国
規制が多く、個人輸出(EMSなど)ではトラブルが起きやすい国です。
商品に対する税関の審査が厳しく、内容物・数量・用途がしっかり明記されていないと止まってしまうケースが多々あります。
3. 実際に起きたトラブル:税関で商品が戻ってきた話
特に印象に残っているのは、中国向けにケース単位(20本程度)でEMS発送したときのことです。
数回にわたって、中国の税関で止められ、最終的に日本に返送されてきました。
その際、化粧品の箱が歪んでしまっていたり、凹んでいたりして、とても商品として再販できる状態ではありませんでした。
送料はもちろん自己負担、そして商品代も損失。
このときは正直、かなり落ち込みました。
でもこの経験から、「発送のルールをもっと理解すること」「箱の補強を徹底すること」「ケース単位より小分けの方が通りやすい」など、たくさんの学びがありました。
4. トラブルから学んだ“今のやり方”
今では以下のような点を徹底しています:
- 追跡番号付きの配送(EMS、DHL、FedExなど)
- 国ごとに最適な配送方法を使い分ける
- インボイス(送り状)の内容を詳細に記載(製品名/数量/使用目的など)
- 成分ラベルを英語や中国語に翻訳したものを同梱
- 梱包資材を二重にして、箱の潰れ対策
こうした積み重ねで、今では安定して海外発送ができるようになっています。
5. おわりに:これから越境ECを始めたい方へ
越境発送は、最初は不安も多いですし、私自身も失敗をたくさん経験してきました。
でも、その一つひとつが次の成功につながるヒントになっています。
今ではShopeeなど、誰でも海外販売にチャレンジできる時代です。
「やってみたいけど、怖いな」と思っている方がいたら、まずは一歩、少量から始めてみるのをおすすめします。
私の体験が、少しでも誰かの参考になれば嬉しいです。
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